ここではタロットの大アルカナ、月(The Moon) を解説します。
カードの図柄
タロットカード「月(The Moon)」には、夜の風景が描かれています。
中心には青白く光る満月、そこからは奇妙なY字型の光線が伸びており、幻想的な雰囲気を漂わせています。月の下には狼と犬が一匹ずつ、月に向かって吠えています。その背景には2本の塔がそびえ立ち、地面にはザリガニが水から這い出て、道をたどろうとしています。
このカードの構図は、夢と現実のはざまや、無意識と理性のせめぎ合いを象徴しており、人の心の奥底にある恐れ、直感、混乱などがテーマになっています。太陽のように明るくはっきりとは照らさない月は、どこか不安定であいまいな世界を示唆しています。
カードの意味
正位置の意味
不安、混乱、幻想、幻影、錯覚、曖昧、嘘、裏切り、直感、無意識、秘密、恐れ、トラウマ、予感、妄想、疑心暗鬼、潜在意識、夢見がち、現実逃避、見えない敵、潜在的な危機、感情の乱れ、情緒不安定、謎めいた状況、隠された真実、方向性の欠如、誤解、気分の浮き沈み、理性の低下、暗中模索、自己不信
逆位置の意味
霧が晴れる、真実の発見、幻想からの解放、誤解の解消、気づき、自己理解、直感の明確化、曖昧さの払拭、不安からの回復、明確な視野、心理的回復、混乱の終わり、はっきりする状況、感情の整理、正しい判断、覚醒、恐怖の克服、直感の活用、心の安定、現実の直視、隠された意図の暴露、誤った信念の見直し、冷静さの回復、心の霧が晴れる、明晰さ、過去からの解放、誠実な対話
カードが告げていること
正位置の場合
「月」の正位置は、物事が不透明で混乱しやすい時期を表します。自分では何が正しいのか判断しづらく、感情の浮き沈みが激しくなることもあるでしょう。特に、相手の言動がちぐはぐに感じられたり、物事の裏にある意図を疑ってしまうような場面に出くわすかもしれません。
恋愛においては、相手の気持ちが見えにくく、関係性に対する不安が膨らみやすい時期です。想像力が強く働くぶん、ネガティブな想像が先行し、疑心暗鬼に陥りやすくなる傾向があります。片思いでは、相手の態度を過剰に解釈してしまい、自分を見失ってしまう危険も。カップルの場合、ちょっとした言動で「浮気しているのでは?」などと妄想を膨らませてしまうこともあるかもしれません。
仕事では、情報が錯綜していたり、真意がつかめないままプロジェクトが進んでいたりといった状況があるかもしれません。大きな決断を迫られている場合でも、今は急がず、全体像が明らかになるのを待つことが得策です。うまい話には裏がある可能性もあるため、冷静に裏を取る慎重さが求められます。
対人関係においては、表面的には良好でも、裏で何が起きているかは分からないという雰囲気が漂います。誰かが本音を隠していたり、意図的に誤解を招くような言動をしている可能性も考えられます。信じすぎても疑いすぎてもバランスを崩すため、「今は真実をすべて知ろうとしない方がよい」と捉える姿勢が大切です。
このカードが出たとき、カギとなるのは**「直感」と「観察力」**です。頭で考えても混乱する場面では、心の声に耳を傾けることが突破口になるかもしれません。ただし、直感と妄想は紙一重なので、自分の状態をよく見極めましょう。
逆位置の場合
逆位置の「月」は、もやが晴れ始めるタイミングを示しています。長らく悩んでいた問題に少しずつ光が差し込み、これまで混乱していた感情や状況が整理されていく兆しがあります。
恋愛面では、相手の真意が見えてくる、誤解が解けるといった展開が期待できます。曖昧だった関係が少しずつはっきりしてきたり、自分の気持ちに確信が持てるようになるかもしれません。浮気や秘密の関係など、不誠実なものが明るみに出ることもありますが、それは「自分のために必要な真実」と捉えるべきです。
仕事では、今までうまくいかなかった原因や、自分の中で抱えていた違和感の正体に気づけるかもしれません。人間関係のわだかまりが解けたり、真の協力者に出会えることもありそうです。これまで直感に従うことを躊躇していたなら、今こそ自分の感覚を信じて一歩踏み出すチャンスです。
対人関係では、誤解やすれ違いが徐々に解消し、お互いに理解を深めていく方向へと向かっていきます。また、自分の中にあった「人を信用できない」という壁が崩れ始め、人と心を通わせる安心感が芽生えるかもしれません。
このカードの逆位置は、「暗い夜の終わり」を象徴しています。真実に向き合う勇気を持てたとき、心の混乱は収束し、進むべき道が自然と見えてくるはずです。直感に導かれて新たなステージに向かう準備が整い始めています。

あの月、なんかこっち見てない?

走るときっと追いかけてくるわよ!