15. 悪魔 The Devil

大アルカナ
スポンサーリンク
スポンサーリンク

ここではタロットの大アルカナ、悪魔を解説します。

カードの図柄

タロットの「悪魔」には、角の生えた山羊の姿をした存在が描かれています。これは悪魔というよりも、神話の半人半獣「バフォメット」の姿に近いものです。

その足元には裸の男女が鎖でつながれており、一見すると囚われているように見えますが、その鎖は実はゆるく、いつでも外せる状態になっています。悪魔は一段高い場所から二人を見下ろし、あざ笑うような表情を浮かべています。背景は暗く、全体的に重苦しい雰囲気が漂い、「逃げられない」と感じさせるような閉塞感があります。

この図柄は、「自分で気づかないうちに、何かに支配されている状態」「手放せない執着」などを象徴しています。

カードの意味

正位置の意味

依存、欲望、執着、中毒(アルコール・恋愛・金銭など)、不健全な関係、快楽主義、欺瞞、自己欺瞞、被害者意識、恐れ、抑圧、支配、物質主義、感情の暴走、性的誘惑、自己コントロールの欠如、怠惰、嘘、裏切り、負のループ、損得勘定、他者への過干渉、愛憎の混在、強迫観念、見せかけの安心感、エネルギーの浪費、心の不自由、否定的な思い込み、過去のトラウマ、表面的な魅力、無気力、自己嫌悪、変化への抵抗

逆位置の意味

解放、気づき、癒し、目覚め、精神的成長、自立、距離を取る、執着からの脱却、変化への決意、自己再生、真実の発見、依存関係からの離脱、自制心の回復、負の感情との和解、新たな価値観の芽生え、行動の見直し、手放す勇気、健全な関係、リセット、新しい道、前向きな脱却、環境の浄化、誤った信念の崩壊、束縛からの自由、気持ちの切り替え、ブレイクスルー、執着対象との別れ、長年のパターンからの脱出、内面的な変容、魂の解放、心の再構築

カードが告げていること

正位置の場合

「悪魔」の正位置は、何かに過度に囚われている状態を示しています。それは物質的な欲望かもしれませんし、人間関係の依存かもしれません。あるいは、自分自身に対する否定的な思い込みや、過去の傷による自己制限かもしれません。

今のあなたは、何かに縛られすぎてはいませんか?それは他人との関係かもしれませんし、終わったはずの過去の出来事かもしれません。あるいは、「こうでなければならない」という思い込みかもしれません。

このカードが出るときは、自分にとっての「快適な不自由」に安住してしまっていることも少なくありません。抜け出したいと思いながらも、その不自由さにどこか安心している——そんな自分がいるのかもしれません。でも、あなたは変われます。悪魔の鎖は、あなたの手で外すことができるのです。

このカードは、「縛られている」と感じるその鎖は、本当に解けないものなのか?と、静かに問いかけてきます。

逆位置の場合

あなたは今、長く続いていた心の重荷や執着から、ようやく解き放たれようとしています。それは簡単なことではないかもしれません。でも、その痛みや揺らぎの中にこそ、「本当のあなた」に戻るためのヒントが隠されています。

これまで信じていたものが崩れたり、手放す決断を迫られたりするかもしれません。でも、それは終わりではなく、むしろ新しい始まりの兆しなのです。「悪魔」の逆位置は、あなたが自分を許し、自分自身と和解しようとしていることを示しています。そこには、怖れを超えた先の自由があります。

今こそ、心の奥にある「ほんとうの望み」を見つめるときです。

「悪魔」のカードは、私たちの心の奥に潜む“欲望”や“依存”、そして“恐れ”を象徴しています。一見すると怖そうな印象を受けますが、それは外から与えられたものではなく、自分の内側にあるものであることが、このカードの本質です。このカードが現れるとき、あなたは何かに縛られていませんか? もしくは、自分を縛っているのは、実は自分自身ではないでしょうか。

「悪魔」は、怖れを乗り越えて自分を解放するヒントを与えてくれるカードでもあります。

ちょこっと豆知識・神話の半人半獣「バフォメット」って何?

タロットカード「悪魔」のモチーフとしてよく語られる「バフォメット」は、西洋神秘思想に登場する象徴的存在です。山羊の頭に翼を持ち、片手を上に、片手を下に向けて座る姿が特徴的。人間の理性と本能、善と悪、男性性と女性性など相反するものの統合を表す存在とも言われています。

悪魔的なイメージが強いですが、もともとは知識・霊性の象徴でもあり、誤解された歴史を持つ神秘的なキャラクターです。

バフォメット
タイトルとURLをコピーしました