タロットは、恐らく今日(こんにち)世界で最も一般的に使用されている占い用ツールの1つと言えるでしょう。タロットは何世紀にも渡って人々をその魔力に引き込んできました。現在、タロットカードは何百もの異なるデザインで販売されています。
タロットの占い方法は刻々と変化しており、多くの占者は伝統的な占い方法に独自のやり方でアレンジを加えています。しかしタロットカード自体は実はそれほど変わっていません。これらのカードはいつ頃、どのようにして生まれたのでしょうか。
タロットカードの起源はいつ?
今日私たちがタロットカードと呼んでいる物の起源は意外に古くなくて、14世紀後半頃と言われています。ヨーロッパの芸術家たちが、ゲームに使用するために現代のトランプのようなカードを考案し、4つの異なるスート(※トランプ、あるいはタロットの小アルカナに書かれているマークの事)を生み出しました。
これらのスートは、私たちが現在も使用しているものと似ていました。杖、コイン、カップ、そして剣。そして数十年後の1400年代半ばには、イタリアの画家たちはもっと重厚な絵柄のカードを描き既存のスートに追加し始めました。
これらのカードは、当時は裕福な家族のための物でした。貴族たちは、自分の家族や友人を描かせた独自のカード・セットを作成するよう画家たちに依頼します。当時のいくつかのセットは今日でも存在していますが、その中でもイタリア・ミラノのヴィスコンティ家のために描かれた「ヴィスコンティ・スフォルツァ・タロット」が現在確認できる最も古いタロットカードと言われています。
皆が画家を雇えるほど裕福でなかったその時代、数世紀の間そのような特注のカードは少数の特権階級の人々だけが所有できるものでした。庶民向けにトランプデッキを大量生産できるようになったのは、印刷機が登場してからのことです。
マルセイユ版の誕生と広がり
1650年頃、パリのジャン・ノブレによって作られた「ジャン・ノブレ版」が現在のマルセイユ版の元になったと言われています。これを元に16世紀〜18世紀にかけて様々なスタイルのカードがフランス各地で生産されるようになりました(マルセイユ版全てがマルセイユで制作されたわけではありません)。
「マルセイユ版」と呼ばれるようになったのは20世紀に入ってからのことです。1930年代にフランスのグリモー社が、18世紀にニコラス・コンバーというマルセイユのカードメイカーが作ったタロットを「マルセイユ版タロット」の名で復刻したことによって広く知れ渡るようになり、以来「マルセイユ版」という呼び方が定着しました。
遊戯用から占いツールとしての進化
それまで遊戯用として用いられてきたタロットカードは、長い年月をかけて神秘的な意味を持ち始めるようになります。1781年、アントワーヌ・クール・ド・ジェブランという名前のフランス人が、タロットの象徴性が実はエジプトの司祭の秘密に由来すると主張しました。
彼は自身のエッセイの中のタロットの意味に関する章で、タロットのアートワークの詳細な象徴性を説明し、それをイシス、オシリス、その他のエジプトの神々の伝説に結び付けました。この頃から、タロットは遊戯用としてでなく占い用のツールとして使われるようになっていきます。
リバース(逆位置)リーディングのはじまり
さらに1783年、フランスの占い師エッティラ(Etteilla)は、タロットを占星術やカバラと結びつけた独自のデッキを制作しました。これは世界初の占い専用タロットデッキとも言われています。
この時、エッティラはカードの上下を区別する「リバース(逆位置)の概念」を導入し、カードが逆さまに出た場合は意味が変わるという読み方を提案しました。今日の多くのタロット占いで使われているこの手法は、「エッティラ版タロット」によって始まったのです。
不朽の名作ウェイト版の誕生と大衆化
1909年、タロットは大きな変化を迎えます。
アーサー・エドワード・ウェイトによる監修のもと、画家パメラ・コールマン・スミスが全78枚を描いたタロットカードがライダー社から出版されました。これが、現代でも最も広く使われている「ウェイト版(ライダー版とも呼ばれる)」です。
このデッキでは、それまでの数札(2〜10)にも意味を持たせるために全てに絵柄が描かれ、象徴性が格段に強まりました。
アール・ヌーヴォー調の繊細なデザインと豊かな物語性を備えたウェイト版は、占い初心者からプロまで広く愛用される定番デッキとなりました。
絵柄の違いを比較してみよう
同じ「タロットカード」でも、版によってデザインや雰囲気が大きく異なります。
ここではウェイト版と古典マルセイユ版の代表的なカードをいくつか見比べてみましょう。
カード名 | ウェイト版 | 古典マルセイユ版 | 新マルセイユ版 |
---|---|---|---|
恋人 The Lovers | ![]() | ![]() | ![]() |
力 Strength | ![]() | ![]() | ![]() |
節制 Temperance | ![]() | ![]() | ![]() |
太陽 The Sun | ![]() | ![]() | ![]() |
👉 デザインの違いから読み取れるニュアンスや象徴の解釈も異なるため、複数の版を見比べることでリーディングの幅も広がります。古典マルセイユ版と、新マルセイユ版の違いは、この下の「豆知識コラム」でお話します。

新マルセイユ版の僕ってこんな顔だよ

あらら、今の方が断然かわいいわね😅

うん、こっちに戻しておくね😝
まとめ|タロットは今も進化を続けている
タロットカードは、その長い歴史のなかでさまざまな文化や思想を取り込みながら進化してきました。現代では、オラクルカードや心理カードなどと融合しながら、より多様な形で使われるようになっています。
これからもタロットは、新たな表現や解釈を受け入れながら、私たちに問いと気づきを与え続けてくれることでしょう。
管理人おススメ古典マルセイユ版タロットカード📝 この記事は、2020年10月に公開された記事を2025年8月に加筆・再編集したものです。
